「五月雨」と「虎が雨(とらがあめ)」
五月雨は古来の田植えの時期に降る雨を称します。
「虎が雨」という言葉があります。大磯では5月28日に降る雨を言います。
曾我兄弟の仇討ちで有名な「曽我物語」
その曾我兄弟の兄・十郎祐成の恋人がお虎さん、虎女(とらじょ)とも呼ばれる女性です。
虎は大磯の遊女でした。虎と十郎は出会い、すぐに恋に落ちます。虎17歳、十郎20歳の時です。十郎祐成と弟の五郎は早くから父の仇を討つことを考えていました。仇討ちは成功しても死罪が待っている時代です。将来を考え、死んだ後のことを考え妻に遊女を迎えたと言われています。
現代では遊女というと女性が貧しさの余りに行き着く先という暗いイメージがあります。いやいや室町時代以前の遊女はむしろ大変な知識人、教養人と言われています。
戦国期から江戸時代になると現代のイメージに近くなるかも知れませんね。
1193年5月28日。
頼朝が催した富士の裾野での狩りで兄弟は父の仇の工藤祐経を討ち取りました。
父の仇は成就するも十郎はその場で斬り殺され五郎も生け捕りにされその後処刑をされています。
虎は十郎の妻としてその生涯を送り、十郎の死後に出家し、兄弟の供養を片時も忘れることなく生涯を送りました。
「虎が雨」は俳句の季語にもなっています。旧暦の5月28日に降る雨は虎女の悲しみを後世の人びとが偲んでのことだと思います。
歌川広重が描いた東海道五十三次の大磯宿の絵は「虎が雨」です。
また、大磯には「虎御石」があります。
この「虎御石」は、工藤祐経が曽我十郎を返り討ちにしようとした折に、十郎の身代わりとなって矢や刀をうけた石と伝えられ、現在、延台寺に所蔵されています。
虎御前化粧井戸(とらごぜんけわいいど)
虎御前がこの井戸で朝夕化粧していたことから名づけられたと言われている虎御前化粧井戸(とらごぜんけわいいど)もあります。
天気予報を見ましたら、28日は晴の予報です。
今夜は雨です。この記事は雨の方が似合う?だから2日早いけれど今日書きました。
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