地福寺の梅と島崎藤村
地福寺の梅が見頃になっているんだろうな?
まして昨日の様な春爛漫を感じさせる様な陽気だったので一気に蕾もほころんだのでは?
しかし、確定申告指導会やその他の会議、打合せ等で事務所から近い所にある地福寺に行くことが出来ません。
地福寺の梅の写真を大磯町観光推進室からいただきました。
う~ん、本当に見頃のようです
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地福寺の梅の開花状況です
ここ地福寺には文豪島崎藤村が永眠しています。
高校生の時に大好きな詩でした(若菜集・初恋の一節です)
まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり
島崎藤村は長野県馬籠村(現岐阜県中津川市)で生まれました。その後は東京に出て教師になり、1899年(明治32年)、小諸義塾の教師として長野県小諸町(現小諸市)に赴任し6年を小諸で過ごしました。その間に小諸を中心とした千曲川一帯をみごとに描写した写生文「千曲川のスケッチ」を発表し、その後は詩から離れて1906年(明治39年)に発表した「破戒」によって小説家としての地位を確立しました。その後は歴史小説「夜明け前」の大作等を始め数多くの作品を発表してきました。そして日本ペンクラブの設立にも力を入れて初代会長に就任しています。
小諸に赴任した年に冬子と結婚しました。
1910年(明治43年)妻冬子は末娘を出産後に産後の肥立ちが悪くこの世を去ってしまいます。妻の死去をきっかけに、この後は前述の若菜集からは想像もつかないような女性関係が続きます。1918年(大正7年)に「新生」を発表し、この関係を清算しようとしたようです。
藤村の生活に安定期が訪れたのは、1928年(昭和3年)に静子さんと再婚してからです。
(静子さんだけさんづけ? 若い頃、静子さんとは着物談義をした経緯があります。藤村から送られた帯や着物も沢山見せていただきました。地福寺は私の家の菩提寺でもあります。だから地福寺に行くと藤村より先に自然と静子さんの墓前に先に手を合わせてしまうんです。)
この生活の安定が藤村の生涯の代表作「夜明け前」につながったのだと思います。
1941年(昭和16年)藤村は大磯の左義長を見にきて大磯を終の棲家にしました。
1943年(昭和18年)「東方の門」の連載中に同年8月22日に脳溢血のため自宅で「涼しい風だね」と言う言葉を残して亡くなりました。
島崎藤村については姪、こま子との過ち等を通じて好き嫌いのある文豪かも知れません。
しかし藤村を介して大磯町は中津川市と小諸市とは文学姉妹都市として今でも交流を行っています。
梅が綺麗に咲き、梅の香りに包まれた地福寺を訪ねて見ませんか?
そして明治・大正・昭和を駆け抜けた文豪・藤村を偲んでみて下さい。
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藤村の居宅です(大磯町HPより借用)
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還暦 一年発起 様
返事を頂き有難う御座いました。
既に、時期を過ぎてしまいましたね。残念です。
やはり、2月中ですよね。今年は大変寒かったので、多少、遅れるかな、と思って居ました。
そういえば、昨年、熱海の梅園を見学しましたが、やはり2月でした。来年の満開時期を狙って見ます。今年の島崎藤村己は日曜日なので、出来たら行って見たいと思って居ます。
今度、大磯へ行く時は吉田 茂邸を見学しようと思って居たのですが、焼失してしまい、残念です。
先ずは、御礼まで。
投稿: 掛川 邦男 | 2010年3月 6日 (土) 01時21分
掛川様
コメントありがとうございました。
>地福寺の梅は何時頃が満開でしょうか?
残念ながら、既に満開の時期を逸しています。
その後の情報をアップしておきませんで失礼をしました。
本日の地福寺の状況を本文にアップさせていただきます。
投稿: 還暦 一年発起 | 2010年3月 5日 (金) 19時33分
地福寺の梅は何時頃が満開でしょうか?満開の時に出掛けようと、「地福寺」を見ているうちに、貴方のページを見付けました。地福寺は3~4回訪ね、藤村の墓参もしました。実は、『島崎藤村の余韻 ゆかりの地と人々を訪ねて』と題した本を昨年出版(文芸社)致しました。勿論、藤村の事、地福寺、静の草屋の事や写真も出て居ます。是非、読んで下さい。インターネットで検索可能です。
投稿: 掛川 邦男 | 2010年3月 5日 (金) 01時29分